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Q11:
当協会が発行しておりますポリマー改質アスファルトポケットガイドには、ポリマー改質アスファルト(以下、PMA)の受け入れと貯蔵に関して表-1の記述があります。これを参考にし、取扱いに際しては十分な注意をお願いします。
表-1 ポリマー改質アスファルトおよび改質材の受入れ、貯蔵の際の留意点
項目 | プレミックスタイプ | プラントミックスタイプ | ||||
受入れ |
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貯蔵 |
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以下では、プラント(アスファルト混合所)のストックタンク貯蔵におけるプレミックスタイプPMAの性状変化とその原因について解説します。
PMAは、貯蔵温度が高いほど、また貯蔵時間が長いほど熱による性状変化が激しくなります。図-1は、実際のタンク貯蔵(180℃)におけるPMAの粘度変化を測定した結果です。貯蔵初期は粘度が僅かに下がり、約10日間貯蔵したあたりから、粘度が急激に上昇に転じる傾向にあります。また同様に、軟化点も貯蔵初期の段階では僅かに下がり、ある程度軟化点が下降した後は上昇に転じることが知られています。粘度や軟化点が上昇しすぎますと、プラントでのPMAの計量に支障をきたしたり、混合物の作業性や性状が阻害されたりします。
これらのことから、180℃以下で1週間以内程度が、当協会が推奨するPMAの貯蔵条件となっています。
図-1 実タンクにおける貯蔵試験
なお、貯蔵時の熱によるPMAの性状変化は、PMAに使用されている原材料であるストレートアスファルトとSBS(スチレン・ブタジエン共重合体) との熱劣化のバランスに主に依存しています。このバランスは、貯蔵温度条件により異なりますが、特に問題となる高温・長期貯蔵による粘度や軟化点の急激な上昇は、熱によるSBSの架橋反応(鎖状の分子間に橋掛けが生じ、網目構造のゲル状物質を生ずる反応) によるものと考えられています。